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「5月の羽アリ」は要注意? 羽アリが発生する時期を専門家が解説

最終更新日:

インターネットでシロアリに関する情報を調べていると、「羽アリ」というキーワードをよく目にします。

一口に「羽アリ」と言っても、害虫であるシロアリの羽アリの場合もあれば、よく見かけるクロアリの羽アリの場合もあります。それぞれ特徴や発生時期が異なります。

特に注目してほしいのは、「羽アリが発生した時期」です。発生時期を知ることで、それがシロアリなのかクロアリなのかを判断できるからです。

シロアリとクロアリの羽アリの発生時期

この記事では、羽アリが発生する時期や、「5月の羽アリ」に注意が必要な理由を、シロアリ駆除の専門家が詳しく解説します。羽アリの危険性について正しく理解したい方はぜひご覧ください。

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羽アリとは何か?なぜ注意する必要があるのか?

羽アリとは、シロアリやクロアリの羽を持った成虫のことです。

繁殖期になると、羽アリは大量に巣から飛び立ち(群飛)、つがいを形成して新たな巣を作ります。これはシロアリもクロアリも共通の生態です。

また、羽アリの発生時期は種類ごとに異なります。発生条件が整うと、短期間で一斉に飛び立つのが特徴です。

シロアリの場合、普段は地中や木材の中に潜んでおり、人目に触れることはほとんどありません。しかし、羽アリとして地上に現れるタイミングは、シロアリの存在を確認する唯一のチャンスです。

もし室内で羽アリを見つけ、それがシロアリだった場合、既に床下などに侵入し木材を食害している可能性が高いため、注意が必要です。

室内で発生したシロアリの羽アリ
室内で発生したシロアリの羽アリ

 

シロアリの羽アリが発生する時期

シロアリの羽アリは、春から夏にかけて発生します。

時期は種類によってやや違いがあります。主要なヤマトシロアリ、イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリについてまとめると次のようになります。

シロアリとクロアリの羽アリの発生時期

ヤマトシロアリ:4月後半~5月
イエシロアリ:6月~7月
アメリカカンザイシロアリ:7月~10月

 

シロアリの種類や生態の違いは次の記事で詳細に解説していますのでご参考ください。

「5月の羽アリ」に注意すべき理由

日本で最も被害をもたらすシロアリは、ヤマトシロアリです。

調査によると、日本国内のシロアリ被害の92.0%がヤマトシロアリによるものだと判明しています。

シロアリの種類別の被害発生率

イエシロアリも家屋に大きな被害を与えますが、主に西日本の海岸地帯に分布しているため、被害件数は少なく、全体の約7.7%にとどまります。

そのため、特に注意すべき羽アリはヤマトシロアリのもので、発生時期である4月後半~6月には警戒が必要です。

さらに、当サイト「アリプロ」の過去データによると、ヤマトシロアリの羽アリが最も発生しやすい条件は以下の通りです:

5月のゴールデンウィーク前後

・前日まで降っていた雨が上がった、よく晴れた蒸し暑い日

・午前中の10時~12時

・風が弱い

このような条件が重なると、数百匹以上のヤマトシロアリの羽アリが一斉に現れ、群飛を行います。このため、「5月の羽アリ」には特に注意が必要です。

ただし、発生時期は年や気象条件によって多少前後します。最も危険な時期は5月ですが、春から夏にかけて注意を怠らないようにしましょう。

 

ヤマトシロアリについては、次の記事で詳しく解説しています。

なお、イエシロアリの羽アリが発生しやすいのは6月から7月の「夕方」です。この時期に全体的に茶色の羽アリを見かけた場合、イエシロアリの可能性が高いです。

詳細は次の記事をご覧ください。

 

クロアリの羽アリが発生する時期

クロアリの羽アリは、6月から11月までの比較的長い期間に発生します。

特に4月後半から6月は、ヤマトシロアリの羽アリが発生する時期と重なるため、両者を見分けることが重要です。

 

シロアリとクロアリの羽アリの違い

以下に、シロアリの羽アリとクロアリの羽アリの見分け方をご紹介します。

 

羽の色

シロアリの羽は全体的に白く、ややくすんだ色をしています。一方、クロアリの羽も白く半透明ですが、「翅脈(しみゃく)」と呼ばれる模様が濃くはっきりと浮き出ています。

 

羽の形状

シロアリの羽は前後に2対(合計4枚)あり、全てが長く同じ大きさです。クロアリの羽も前後に2対ありますが、前羽の方が後羽よりも大きい傾向があります。

 

体の形

シロアリの体は寸胴型でくびれがありません。一方、クロアリの体にはくびれがあり、頭部、胸部、腹部がはっきりと区別できます。

 

飛び立つ時間帯

シロアリの羽アリは、午前10時~12時頃に最も多く見られます。一方、クロアリの羽アリは夕方から夜にかけて飛び立つのが一般的です。

 

次の記事では、シロアリとクロアリの羽アリの見分け方について、写真付きでさらに詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

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シロアリの羽アリを見つけたらどうしたらいい?

もし5月を中心に、4月後半~6月の時期に自宅内で羽アリを発見した場合、どう対応すればよいのでしょうか?

まずは応急処置として、次の作業を行いましょう。

 

羽アリを掃除機で吸い取る

羽アリを掃除機で吸い取りましょう。シロアリは風に弱いため、掃除機で吸い取るだけで死滅します。掃除機の中で繁殖する心配はないので、安心して処理してください。

 

発生場所を特定して塞ぐ

羽アリが出てきた穴を特定できたら、ガムテープなどで塞ぎましょう。シロアリの羽アリは数回にわたって飛び立つことがあるため、後続の羽アリを防ぐ効果があります。

これらの応急処置を行った後は、必ず専門のシロアリ駆除業者に相談してください。業者は被害状況や床下の状態を丁寧に調査し、必要に応じた駆除や防除施工を行ってくれます。

シロアリ駆除には専門知識や技術、適切な薬剤が必要ですので、自分だけで対処しようとせず、専門家の力を借りることをお勧めします。

 

次の記事では、羽アリを見つけた際の詳しい対処法を解説しています。ぜひご覧ください。

さいごに

これまで解説してきたように、5月を中心に4月後半から6月にかけて発生する羽アリは、ヤマトシロアリである可能性が高く、早急な対処が求められます。

この時期に室内や自宅周辺で羽アリを見かけた場合は、速やかにシロアリ駆除業者に相談し、専門的な調査や防除施工を依頼しましょう。

 

他の時期に現れた羽アリについて

羽アリが発生する時期ごとに詳しく解説した記事をご用意しています。ぜひ参考にして、適切な対応を検討してください。

 

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アリプロは、創業35年以上の歴史を持つシロアリ駆除会社です。東京・千葉・埼玉・茨城に密着し、施工実績4.7万件を突破しました。

アリプロは日本しろあり対策協会に加盟しており、調査や工事を行うスタッフは全員「しろあり防除施工士」の資格を保有しています。床下調査の際には、床下の状況をデジカメで撮影し、お客様にわかりやすくご報告します。

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※ 日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合による国土交通省補助事業「シロアリ被害実態調査報告書」

 

執筆・監修者

林 翔平

2012年株式会社セスコに入社。シロアリ駆除業務に従事し、延べ2,000件以上の床下調査を実施。アリプロのコラム記事全ての執筆および監修を担当。

【保有資格】
・日本しろあり対策協会「しろあり防除施工士」
・日本健康住宅協会「健康住宅アドバイザー」

 

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