
シロアリ駆除業者を探すとき、皆さんはどのような点を重視するでしょうか?
多くの方が気になるのは、やはり駆除にかかる費用の違いではないでしょうか。
シロアリ駆除の費用は決して安くはありません。しかし、業界の知識がないとその費用が適正かどうか判断するのは難しいものです。
そのため、複数のシロアリ駆除業者を見比べたり、見積もりをとったりしても、どの業者に依頼すれば良いか迷ってしまう方も多いようです。
そこでこの記事では、シロアリ駆除業者選びに失敗しないために、シロアリ駆除の費用相場を解説します。この記事を読んで頂ければ、どの業者が相場より高いのか低いのかを大まかに判断できるようになるでしょう。
さらに記事の後半では、優良なシロアリ駆除業者を選ぶコツもご紹介します。長期的な視点でシロアリ対策の費用を抑えるために、ぜひお役立てください。

・ 日本しろあり対策協会に加盟
・ しろあり防除施工士が必ず対応
・ 無料の床下調査、工事後5年間の毎年点検
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シロアリ駆除の費用はどうやって決まる?


そもそも、シロアリ駆除の費用はどのように決められるのでしょうか?シロアリ駆除に使う薬剤の料金でしょうか?それとも、シロアリを退治することの成功報酬のようなものでしょうか?
答えは、「シロアリ駆除を行う面積で決まる」です。
なぜ住宅の「面積」で費用が決まる?
その理由は、シロアリ駆除の作業内容を知れば納得できます。
一軒家のシロアリ駆除作業は、床下の狭い空間に潜り込み、専門機材を使って地面や建材に薬剤を吹き付ける作業が中心です。
床下は土や埃、カビの多い不衛生な環境であり、専門の作業服やゴーグル、マスクなどで身体を保護する必要があります。突然、虫や小動物に遭遇することもあります。


薬剤の吹き付けは、狭い床下を匍匐前進(ほふくぜんしん)しながら行います。作業に要する時間は平均3~5時間前後で、この間ずっと暗く狭い床下で過ごすことになります。専門的な技能が必要とされるのはもちろん、体力や精神力も無ければ務まらない、作業です。


このように非常に負担の大きい作業を行うことから、シロアリ駆除の料金は「1㎡あたり」や「1坪あたり」といった面積単位で設定されるのが一般的です。薬剤費や機材費などはこの料金に含まれていることがほとんどです。
シロアリ駆除の費用は、やや高いと感じる方も多いかもしれませんが、作業の過酷さや高い専門性を考慮して算出されている側面もあります。
費用計算には「1階の面積」が利用される
また、シロアリ駆除の面積とは1階部分の床下面積を指します。2階を含めた「延べ床面積」や、庭を含めた「敷地面積」ではありませんのでご注意下さい。


さらに、シロアリ駆除業者によって面積あたりの単価やオプション費用、保証などが異なるため、最終的な費用総額も大きく変わってきます。
シロアリ駆除費用の相場
続いて、シロアリ駆除の費用相場について解説してまいります。
「経済調査会」による費用相場の調査
「一般財団法人経済調査会」によれば、全国のシロアリ駆除の相場は1㎡あたり3,250円(1坪あたり10,725円)とされています。
この単価をもとにすると、一般的な一軒家(15坪~40坪)の費用相場は次の通りです。
床下の面積 | 費用 |
15坪(49.5㎡) | 160,875円 |
20坪(66.0㎡) | 214,500円 |
25坪(82.5㎡) | 268,125円 |
30坪(99.0㎡) | 321,750円 |
35坪(115.5㎡) | 375,375円 |
40坪(132.0㎡) | 429,000円 |
アリプロによる独自の費用相場の調査
しかし、私たちアリプロが独自に費用相場を調査したところ、上記の数値とは大きく異なっていました。
シロアリ駆除業者26社のホームページを調査した結果、平均単価は1㎡あたり1,693円(1坪あたり5,587円、2024年時点)でした。上述の経済調査会と比べて約2倍の差が見られました。


この単価を元にすると、一般的な一軒家(15坪~40坪)の費用相場は次の通りです。
床下の面積 | 費用(税込) |
15坪(49.5㎡) | 83,803円 |
20坪(66.0㎡) | 111,738円 |
25坪(82.5㎡) | 139,672円 |
30坪(99.0㎡) | 167,607円 |
35坪(115.5㎡) | 195,541円 |
40坪(132.0㎡) | 223,476円 |
※調査をおこなった26社は以下のリストから確認できます。
シロアリ110番
害虫駆除救急隊
シロアリ駆除の窓口(ROY株式会社)
生活救急車
シロアリ駆除お助け隊
シロアリ駆除隊
ジャパンアットレスキュー
木材防腐防蟻処理協同組合(住宅生活事業協同組合)
アサンテ
サニックス
カインズ
コメリ
デーツー
コーナン
DCMカーマ
島忠ホームズ
ジョイフル本田
アリプロ(セスコ)
シロアリ本舗
株式会社チューガイ
シロアリ一番
雨宮
株式会社マルゼン
ヤマトシロアリ研究所
三共防除株式会社
サンキョークリーンサービス
調査結果が大きく異なるのはなぜか?
なぜ、両者の調査結果には大きな差があるのでしょうか?
それは、シロアリ駆除の実際の費用は、シロアリ駆除業者がホームページに表示する金額だけでは済まず、追加の費用がかかることが多いことが要因です。経済調査会のデータは、その追加の費用も含めた数値だと考えらえます。
実は、シロアリ駆除の費用で問題になるのが、この「本当にこの費用だけで済むのか?」という点です。この問題をよく理解するために、次のセクションでこの平均費用の詳細を深堀りしていきます。


シロアリ駆除業者のタイプ別平均費用
シロアリ駆除業者と一口に言っても、運営形態や営業方法はさまざまです。
現在、一般の方がシロアリ駆除を依頼する先は、「インターネット仲介業者」「ホームセンター・ハウスメーカー」「地域密着型の中小企業」「全国展開する大手企業」の4つのタイプに分類することができます。
これらのタイプによって、工事の品質(下請け業者かどうか)や、中間マージンの有無が異なります。
タイプ別に㎡あたりの費用の平均を算出すると、次のようになりました。
業者のタイプ | 単価 (1㎡あたりの税込費用) |
インターネット仲介業者 | 1,224円 |
大手ホームセンター ハウスメーカー | 1,944円 |
地域密着型の 中小企業 | 1,938円 |
全国展開する 大手企業 | 3,025円 |
全タイプの平均 | 1,693円 |
ご覧の通り、業者のタイプによって費用の平均単価に大きな違いがあります。
最も安いのはインターネット仲介業者(1,224円/㎡)で、最も高いのは全国展開する大手企業(3,025円/㎡)でした。
この数字だけを見ると、「インターネット仲介業者に依頼すれば一番安く済ませられる」と思われるかもしれません。
ところが、各タイプの特長やメリット・デメリットなどをよく考慮すると、そう単純な話ではないことがわかります。次の項より各タイプを詳しく解説していきますので、ぜひご覧ください。
インターネット仲介業者


インターネット上で集客し、圧倒的な格安費用を武器にしているのがインターネット仲介業者です。
一見、シロアリ駆除業者が運営しているように見えるホームページでも、実際はIT企業が運営しているケースがほとんどです。お客様からの申し込みがあると、下請けの小規模なシロアリ駆除業者(個人事業者の場合もある)に工事が委託されます。


こうしたインターネット仲介業者は下請けへの紹介料で収益を上げており、お客様から見ると紹介料分の中間マージンが発生していることになります。お客様を1人紹介するたびに2万円~3万円程度が相場です。
また、仲介業者は1件でも多くの問い合わせを獲得するために、1㎡あたりの単価を極めて低く表示しています。
このようなインターネット仲介業者の下請けは、施工方法や品質、資格の有無などのルールが統一されていません。手抜き工事をしたり、誠実な対応ができなかったりするなど、レベルの低い業者が来てしまうこともあります。
費用面で問題となるのは追加料金の発生です。ホームページに表示する料金は、下請け業者の利益が出にくい、非常に安い単価に設定されていますので、様々な理由で料金を追加しようとする傾向があります。
安さを理由に選んだにも関わらず、最終的な見積もりは後述する高品質なシロアリ駆除業者と変わらない金額となったり、むしろ高い金額になったりしてしまうこともあります。


また、顧客1件あたりの利益が小さいため、工事後の保証やアフターフォローも不十分な傾向があります。シロアリ駆除業界では施工後5年間の保証が付き、そのあいだ定期点検を実施することが一般的ですが、インターネット仲介業者の下請けは、保証期間中に一度も定期点検を行わないことがあります。
もちろん、良い下請け業者も存在するものの、こうしたリスクを考慮しておくようにしましょう。
なお、ホームページに次のような記載がある場合は、インターネット仲介業者である可能性が高いです。よく注意して確認するようにしましょう。
・単価が非常に安い(1㎡あたり1,000円台前半以内)
・全国エリアに対応している
・24時間365日対応している
・加盟業者、協力業者などの表記がある
大手ホームセンター・ハウスメーカー


大手ホームセンターも店頭でシロアリ駆除のサービスを案内しています。普段から利用する馴染みの店舗で相談できるため、安心感があるかもしれません。
しかし、実際の施工は下請け業者が行うことがほとんどです。ホームセンターは工事を自社で行わず、提携している下請け業者に委託します。
また、インターネット仲介業者同様、大手ホームセンターでも中間マージンが発生します。その分、価格が高めに設定されていたり、表記価格が安くても追加料金が発生したりする可能性があります。


また、住宅を建てたハウスメーカーがシロアリ駆除サービスを案内することもあります。住宅を建ててくれたハウスメーカーなら安心と思われるかもしれませんが、実際にシロアリ駆除工事を行うのは、提携している下請け業者です。
このような事から、ホームセンターやハウスメーカーでシロアリ駆除を依頼すると、想定外の追加料金が発生したり、十分な保証が無かったりすることがあります。
もっとも、ホームセンターやハウスメーカーは、信用を重視する大手企業であり、大きなトラブルは発生しにくい傾向があります。
地域密着型の中小企業


特定の地域に根を張り、地元のお客様に向けて地域密着型のサービスを提供しているのが地域密着型の中小企業です。
地域密着で実績を積んでいるため、地域の典型的な住宅の作りや、地域に生息するシロアリの種類・生態などに精通している上、定期的な点検を欠かさず丁寧にやってくれるなど、きめ細かいサービスも期待できます。


実は、このような地域密着の中小企業が、ホームセンターやハウスメーカー、またインターネット仲介業者の下請けとして工事をおこなっているケースもあります。
中小企業に直接シロアリ駆除の依頼をすれば中間マージンもなく充実した保証を受けられるのに、ホームセンターやインターネット仲介業者を通すことによって余計な中間マージンが発生し、金額以下の保証も不十分なものとなってしまうケースが存在します。
せっかくインターネットを使ってシロアリ駆除業者を探すのでしたら、ぜひ「地域密着型の中小企業」をご自身で探してみることをお勧めいたします。
当サイトのアリプロも、東京・千葉・埼玉・茨城などの関東エリアに密着して実績を積んできました。創業35年、施工件数は4万件を超え、「アリプロ」という名称も多くの方に知って頂けるようになりました。1㎡あたり2,530円(税込)の費用でシロアリ防除のすべてをカバーし、追加料金の要らない明朗会計を実現しています。調査・お見積もりは無料ですのでお気軽にご相談ください。



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・ しろあり防除施工士が必ず対応
・ 無料の床下調査、工事後5年間の毎年点検
全国展開する大手上場企業


日本全国に営業所をかまえ、テレビCMなどで広告宣伝を行うシロアリ駆除業者が大手上場企業に該当します。
これらの大手企業はどこかの下請けに入っている事は少ないため、余計な中間マージンは発生しづらい傾向にあります。
ただし、全国的な営業所の運営や、24時間体制のコールセンターの設置など、間接コストが多くかかりシロアリ駆除費用も高額になりやすい特徴があります。
運営面では安定しているため、知名度や安心感を求める方にはオススメの依頼先となります。
シロアリ駆除業者のタイプ別特徴のまとめ


ここまでに4つのタイプのシロアリ駆除業者の特徴を紹介しました。
表記価格で見るとインターネット仲介業者が最も安いですが、中間マージンなどの関係上、追加費用の発生や保証や不十分なものになりやすいので注意しましょう。
シロアリ駆除費用に差が出る理由
ここまでにシロアリ駆除業者の運営形態によって、「余計な中間マージンが発生する」ことで費用に差が出てしまう事が分かりました。
しかしそれ以外の理由でも、シロアリ駆除費用には差が発生する事があります。主な理由をご紹介いたします。
保証内容の差


シロアリ駆除工事を行うと一般的に5年間の保証が付きますが、こちらの保証内容はシロアリ駆除業者によって異なります。
たとえばシロアリが再発時に無料で再消毒を行ってくれるのか?という点や、工事後の定期点検に何回来てくれるのか?などです。
こうした保証内容の充実度が、シロアリ駆除費用に差が出る要因の一つとなります。
工法の差


通常のシロアリ駆除では、床下に入り薬剤を散布する事が一般的です。しかしそもそも床下空間が無い構造の住宅の場合や、アレルギーなどで薬剤を使えない方の場合には、「ベイト工法」という手法でシロアリ駆除を実施する事があります。
ベイト工法とは、住宅の外周に一定の間隔で毒餌を埋め込む方法です。このベイト工法は、通常のシロアリ駆除と比べて費用が高額となります。
「シロアリを確実に駆除する」という意味では通常の工法の方が優れているため、このベイト工法が選ばれる事は少ないですが、どうしても通常のシロアリ駆除を行えない場合には、このベイト工法という選択肢もあります。
薬剤の差


シロアリ駆除で使用する薬剤によっても費用に差が生まれます。といっても単純に、「高価な薬剤の方がシロアリに対して効果的である」という事ではありません。
一般的なシロアリ駆除剤でも、匂いや人体への影響は抑えられていますが、薬剤へのアレルギーをお持ちの方はそれでも体調を崩される方がいらっしゃいます。こうした方向けに、化学物質を含まない「天然成分の薬剤」を使用する場合には、シロアリ駆除の費用が高額になるケースがあります。
しかし注意して頂きたいのは、ほとんどの方は一般的なシロアリ駆除剤で十分という事です。特に薬剤に弱いという方は、こうした天然成分の薬剤をご検討ください。
シロアリの種類の差


日本で発生するシロアリ被害のほとんどは「ヤマトシロアリ」という種類のシロアリによるものです。しかし西日本の温暖な地域では「イエシロアリ」という種類のシロアリが、また日本中で局所的に「アメリカカンザイシロアリ」という外来種のシロアリ被害が発生する事があります。
こうしたヤマトシロアリ以外のシロアリの場合には、被害が甚大になりやすく駆除が困難となるため、シロアリ駆除費用が高額になるケースが存在します。
住宅構造の差


工事を行う住宅構造の違いでも、シロアリ駆除費用に差が出るケースがあります。
たとえば1階に車庫(ガレージ)がある場合には、この部分を通常の面積として費用に加えるか、別途料金として工事を行うかなどの対応はシロアリ駆除業者によって様々です。
こうした住宅構造の違いも、シロアリ駆除費用に差が出る要因となりますのでご注意ください。
どんなときに追加費用が発生する?
シロアリ駆除業者を選ぶとき注意しなければならないのが、追加費用が発生するかどうかです。
表示価格が安いから申し込んだのに、追加費用が発生しかえって高額になってしまうこともあります。


どのようなシロアリ駆除業者でも追加費用が発生するケースもありますが、業者の選択を間違えなければ追加費用を避けられるケースも存在します。
ここでは、追加費用が発生する代表的なケースを1つ1つご紹介していきます。
どんな業者でも追加費用が発生するケース
床下への入口(点検口)が無く、床下に入れない箇所がある
多くの住宅では、キッチンや洗面所などの水回りに、収納庫や(床下)点検口と呼ばれる床下への入口が設置されています。


しかし、一部の住宅では最初から備えられていなかったり、リフォームによって塞がれたりしていることもあります。様々な理由により、床下の一部分だけ入れなくなっていることもあります。特に古い家屋では点検口が無いことが多いようです。
薬剤の散布を一か所でも怠ってしまうと、そこからシロアリが侵入するリスクがあります。確実なシロアリ防除のためには、なんとかして床下全体に薬剤を散布しなければなりません。
場合によっては、通気口や僅かな隙間に機材を挿入し、薬剤を散布することもあります。人が入れない箇所がそれほど広くなく、通気口や隙間から全体に散布できそうならこの方法で問題ありません。
もし人が入れない場所が広かったり、複雑な構造により隙間からの散布が難しい場合は、床下点検口を新たに設置することになります。
点検口は、床や下地などを適切なサイズに切り、フタを取り付けることで設置します。フローリングの場合は特に手間のかかる作業になるため、基本的にどのシロアリ駆除業者でも追加費用が発生することになります。
点検口設置の費用相場は、1箇所につき3万円~5万円です。
床下にコンクリートで囲われた箇所があり、斫り(はつり)工事が必要となる
住宅の基礎は通常、コンクリートでできています。通常の住宅であれば、基礎のコンクリートに部屋と部屋の間に人通口(じんつうこう)と呼ばれる通り道が作られています。


ところが、住宅によってはこの人通口が作られていないために、コンクリートで入れない場所ができてしまうことがあります。
そのような人の手が届かない場所は、シロアリの被害を受けたり、侵入口となったりしてしまうことがあります。
対策として行われる工事は、斫り(はつり)工事と呼ばれるものです。専門のドリルなどの機材を使い、コンクリートに人が通れる穴を開けます。


もちろんコンクリートの基礎は住宅の強度に関わるため、開ける穴は人が通れる必要最低限のもので、訓練を受けたプロが慎重に工事を行う必要があります。
斫り(はつり)工事の費用相場は、1ヵ所あたり1万円~2万円となっています。どのシロアリ駆除業者でも斫り(はつり)工事を実施には追加費用が発生すると考えられます。
シロアリの被害が床下に留まらず、居住スペースに広がっている


ほとんどの住宅では、シロアリの予防は、床下に薬剤を散布する作業を行えば完了します。
既にシロアリの被害があり、駆除を行う場合でも、多くのケースでは被害は床下に留まっています。そのため、床下の木部や土壌部に薬剤を散布したり、注入したりすることによって、シロアリの駆除を完了することができます。
ところが、場合によっては、シロアリの被害が床下を超えて住宅の居住スペースにまで達していることもあります。床下や1階が被害に合い、2階まで達しているケースも少なくありません。このような場合は、床下や1階では既に大きな被害が発生していることが多いため、早急の対策が必要となります。


また、空から飛来した羽アリが直接2階以上の階に到達して被害が生じることもあります。何階であっても、木材が使われており、換気が悪かったり、湿気が多かったりする環境だと、そこにシロアリが巣を作ることがあるためです。
このようにして、居住スペースに被害が生じていると、住宅の構造や、被害の範囲や程度をよく調査し、最適な方法で薬剤を注入を実施する必要があるため、個別の見積もりが必要になってきます。


一部の業者で追加費用が発生するケース
木部処理に追加費用を請求する業者が存在する
日本しろあり対策協会が定める施工要領では、シロアリの防除は土壌面への薬剤の散布(土壌処理)と、木部への薬剤の吹き付けや注入(木部処理)を行う必要があります。


日本しろあり対策協会に加盟している業者であれば施工要領を守らなければならないため、土壌処理と木部処理は必ず実施します。多くの業者はどちらも基本料金内で対応しています。
ところが、日本しろあり対策協会に加盟していない業者は、土壌処理だけで終わってしまったり、木部処理については追加費用を請求したりすることがあります。
手を抜いて工事をしようとしたり、過度に短時間で済ませようとしたりする業者にはよく注意しましょう。表面的な単価を安くして集客している業者は特によく注意することが大切です。また後述の通り、業者が日本しろあり対策協会に加盟しているかどうかも重要なポイントです。
土間処理(スラブ処理)に追加費用を請求する業者が存在する
住宅によっては、玄関や勝手口、浴室などが、床下が直接土壌に接する作りになっていることがあります。土壌面から直接シロアリが侵入してくるため、被害が多発しやすい場所です。
このような場所では、通常の作業のように人が床下に入って作業を行うことができません。
そのため、写真のように専用のドリルを使って床に穴を開ける土間処理(スラブ処理)を行い、開けた穴から薬剤を注入する施工を行います。




この土間処理(スラブ処理)も、シロアリ防除のためには欠かせない作業です。
この土間処理(スラブ処理)は、シロアリ駆除業者によって基本料金内に含める場合もあれば、追加費用を請求する場合もあります。ホームページ上の表記や、受領した見積もりなどをよく確認するようにしましょう。
出張費用や駐車料金を請求する業者が存在する
スタッフがお住まいまで訪問するだけでかかる出張費用や、お住まいの近辺に駐車した際の駐車料金まで請求するシロアリ駆除業者も存在します。
このような費用が余分にかからないかどうか、事前に確認しておくようにしましょう。


当社のアリプロなら、以上で説明した木部処理や土間処理(スラブ処理)、対応エリア内への出張費用や駐車料金には追加費用がかかりません。すべて基本料金内で対応しますのでご安心ください。



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シロアリ駆除の見積もり事例
実際にあった事例として、床下面積が50㎡の一般的な一軒家の住宅に対して、標準的なシロアリ駆除を行う際に、地域密着型の独自ブランド企業に分類される当社のアリプロと、インターネット仲介業者Aで、費用の内訳や合計額がどのように見積もりが違ったかを紹介します。
施工内容:シロアリ駆除および予防のための標準的な施工
住宅:床下面積50㎡の一軒家
※金額は税抜きで表示
アリプロ | インターネット 仲介業者A | |
単価 (1㎡あたり) | 2,300円 | 1,500円 |
基本料金 (単価×50㎡) | 115,000円 | 75,000円 |
木部処理の 追加費用 | なし | 15,000円 |
土間処理 (スラブ処理) の追加費用 | なし | 1ヵ所20,000円 (玄関・浴室の2箇所で40,000円) |
合計 | 115,000円 | 130,000円 |
いかがでしょうか。表面的な価格は、アリプロの2,300円/㎡に対し、インターネット仲介業者Aは1,500円/㎡と安くなっています。この数字だけを見ると、多くの方が特に疑問を持たずにインターネット仲介業者Aを選んでしまうかもしれません。
ところが、前述の通り、インターネット仲介業者は追加費用がかさむことでかえって合計金額が大きくなることがあります。今回の標準的な事例でも、木部処理と土間処理(スラブ処理)の費用が加算され、合計金額はインターネット仲介業者Aの方が高くなりました。これが一部のシロアリ駆除業者に見られる料金のカラクリですので、業者を選ぶ際はよく注意することが大切です。



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追加費用を避けるためのシロアリ駆除業者選びのポイント
以上で見てきたように、シロアリ駆除の費用は、被害の状況や住宅の構造、業者による違いなど、様々な条件で変化します。
とはいえ、既にシロアリ被害が起こっていれば嫌でも対処しなければなりませんし、住宅の構造も今から変えることはできません。
そのため、シロアリ駆除の費用で気をつけるべきは、過大な追加費用を請求するシロアリ駆除業者を選ばないことです。
ここでは、信頼できる優良なシロアリ駆除業者を選ぶためのポイントを順を追ってご紹介します。
インターネット仲介業者を避ける
前述の分類の通り、インターネット仲介業者は、表面的な価格を安く見せる一方で、追加費用が発生する可能性が高いです。中間マージンが発生するため、シロアリ駆除とは直接関係のない部分でも無駄な費用がかかる可能性があるため、注意しましょう。


日本しろあり対策協会に加盟しているか?


公益社団法人日本しろあり対策協会は、50年以上の歴史を持ち、シロアリ業界で最も権威のある団体です。長年にわたる知見をもとに、シロアリ防除講習会の実施や、しろあり防除施工士の認定、薬剤の認定、工法の整備、啓発活動などを行っています。
シロアリ駆除業者が日本しろあり対策協会に加盟するためには、しろあり防除施工士という資格制度への合格をはじめ、さまざまな要件を満たす必要があります。
また、協会に加盟すると、標準的な施工基準や最新の動向を継続的に学習できるため、協会に加盟している業者は施工の品質に一定の信頼を置くことができます。適切なシロアリ防除施工は、長期的には費用を抑えることにもつながります。
日本しろあり対策協会に加盟しているシロアリ駆除業者は協会の公式サイトで確認することができます。シロアリ駆除業者はこの名簿に掲載されている業者の中から選ぶようにしましょう。
社歴が長く、豊富な実績を持っているか?


シロアリ駆除は、社歴が長く、豊富な実績を持つ業者ほど信頼できます。経験が豊富なほど多くの現場に対応する過程で施工技術が磨かれているためです。
一方、社歴が短い会社や、実績が不明な会社は、信頼できるかどうかの判断が難しくなります。施工に不備があればシロアリ被害が再発するリスクも高まります。複数の業者を比較する際は、社歴や実績が明確な業者を優先的に選ぶことをおすすめします。
ただし、社歴が長くても、シロアリ駆除業務に力を入れていない企業も存在するため、注意が必要です。シロアリ駆除を専業もしくは中心的な事業として行っていれば、専門的なスキルや機材、豊富な経験を有するため、信頼しやすいと言えます。
自信のあるシロアリ駆除業者ほど、社歴や実績をホームページに明記していることが多いので、よく確認するようにしましょう。
保証内容は充実しているか?


多くのシロアリ駆除業者は、シロアリの駆除や予防の施工後、5年間の保証を提供しています。保証期間内にシロアリ被害が再発した場合、無料または一定の割引価格で再施工を行ってくれるのが一般的です。
保証には「再処理保証(施工保証)」と「修復保証(修理保証、賠償保証)」の2種類があります。
・再処理保証(施工保証)
シロアリ防除施工後にシロアリが再発した場合に、再度駆除を行う保証です。無料で対応する業者もいれば、割引価格での再施工を行う業者もあります。可能な限り、無料で再施工してくれる業者を選びましょう。
・修復保証(修理保証、賠償保証)
シロアリの再発によって建物に被害が生じた場合に、その修復費用を一定金額まで負担してくれる保証です。業者によっては保証が一切ない場合もありますが、100万円から1000万円程度までの保証を提供している業者も存在します。できるだけ保証金額の多いシロアリ駆除業者を選ぶと安心です。
当社の「アリプロ」では、再処理保証と修復保証の両方が付帯されます。シロアリの再発時には無料で再処理を行い、修復費用は最大1,000万円まで保証いたします。他社では修復保証の上限が500万円程度である場合が多い中、アリプロはその2倍の1,000万円まで対応します。
定期点検を行ってくれるか?
シロアリ駆除業者が提供する5年間の保証期間中に、定期点検が行われるかどうかも重要なポイントです。


業者によっては、5年間で1度しか点検を行わないところもあれば、毎年1回の点検を無料で実施してくれるところもあります。なかには、定期点検を有料でしか行わない業者も存在します。
シロアリが再発していないかをきちんと確認するためには、1年に1回の点検が必要です。特に、無料で定期点検を行ってくれる業者を選ぶことで、後々の安心感が得られます。業者選びの際には、点検頻度とその費用もあわせて確認するようにしましょう。
シロアリ駆除の費用負担を軽減する方法として、確定申告で雑損控除を活用する方法があります。
所得税法施行令第9条《災害の範囲》では、「害虫、害獣その他の生物による異常な災害」が災害として定義されており、これに基づき、シロアリ駆除費用および被害の修繕費用を雑損控除として所得から差し引くことが可能です。確定申告を行う際には、業者から発行された領収書が必要となるため、必ず保管しておきましょう。
なお、この制度の目的上、雑損控除の対象は「シロアリの駆除」に限定されており、「予防」にかかる費用は対象外となる点に注意が必要です。
シロアリ駆除と税金の関係については当サイト「【シロアリと税金】確定申告で「雑損控除」によりシロアリ駆除費用を節税する方法」で詳しく解説しています。
さらに、台風による雨漏りが原因でシロアリ被害が発生した場合には、自然災害によって建物や家財が被害を受けたと認定されれば、火災保険が適用される可能性があります。火災保険の補償範囲は契約内容によって異なるため、加入している火災保険の契約書や約款を確認することをお勧めします。
信頼できる業者を選んで、安心・安全な住まいを手に入れよう


この記事では、シロアリ駆除の費用相場や、追加費用を抑えるためのポイントについて解説しました。
自宅でシロアリを発見すると、誰でも慌ててしまうものです。その際、焦って目についた業者にすぐ依頼してしまうと、リスクの高い施工が行われたり、相場を超える高額な費用を請求されたりする可能性があります。
住宅は、人にとって最も大切な資産の1つです。長期的な維持コストやメンテナンスの労力を考えると、できるだけ信頼性の高いシロアリ駆除業者を選ぶことが重要です。
この記事の内容を参考にして、信頼できるシロアリ駆除業者を選ぶ際の判断材料にしていただければ幸いです。



・ 日本しろあり対策協会に加盟
・ しろあり防除施工士が必ず対応
・ 無料の床下調査、工事後5年間の毎年点検



【保有資格】
・日本しろあり対策協会「しろあり防除施工士」
・日本健康住宅協会「健康住宅アドバイザー」
シロアリ駆除の料金は、「1㎡あたり」と「1坪あたり」の2つの表記方法があります。
1坪は3.3㎡に相当するため、両者を相互に換算することが可能です。例えば、1㎡あたり2,000円のシロアリ駆除業者《A社》と、1坪あたり6,000円のシロアリ駆除業者《B社》があったとします。A社の料金を1坪あたりに換算すると2,000円×3.3㎡=6,600円となり、B社の方が安いことがわかります。
このように、「1㎡あたり」と「1坪あたり」の違いを理解していないと、業者ごとの料金を正しく比較できない可能性があります。
さらに、後述する通り、料金を安く見せるために「1㎡あたり」の料金のみを表示し、追加費用が発生する可能性について十分な説明を行わない業者もいます。契約前には追加費用や作業内容の詳細についてしっかりと確認するようにしましょう。