突然、家屋の中で大量発生する羽アリ。
もしその羽アリがシロアリの羽が生えた姿であれば、早急な対策が必要です。
しかし、羽アリがよく見られるクロアリのものであれば、特に心配する必要はありません。
そのため、見つけた羽アリが、シロアリなのか、クロアリなのかは、お住まいにとって非常に重要な問題です。
両者を拡大した画像で比較すると次の通りです。
次の画像・動画は、屋内外でシロアリの羽アリが実際に大量発生した様子です。
最初の画像で比較すると、シロアリとクロアリの羽アリはなんとなく違う雰囲気を持っていることがわかるかもしれません。とはいえ、実際に羽アリが大量に表れた様子を見て、シロアリとクロアリを即座に判別するのは難しそうだと感じられる方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、シロアリ駆除会社のアリプロの専門家が、「シロアリの羽アリ」と「クロアリの羽アリ」を見分ける方法と、シロアリの羽アリだった場合の対処法について、画像や動画を交えながら詳しく解説します。
ご自宅で羽アリが発生した方は、ぜひ参考にして下さい。
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羽アリとはどんな昆虫?【羽アリの基礎知識】
羽アリとはどんな生き物?なぜ発生する?
そもそも羽アリとは漢字で書くと「羽蟻」となり、一部のアリ(シロアリ)が、巣から飛び出して繁殖を行うために、羽を生やした姿のことを指しています。
私たちの身の回りにいる昆虫の中で、羽アリになる典型的な種類が、シロアリとクロアリです。
「シロアリの羽アリ」も「クロアリの羽アリ」も、現在の巣から飛び立ち、雄雌が一対となり新たな巣を形成します。
つまり、羽アリの発生は、付近にシロアリ・クロアリの巣があり、そこから新たな巣を形成されようとしているサインだと言えます。
羽アリの色
シロアリとクロアリの羽アリが見分けにくい理由の一つとして、どちらも体の色が黒いことが挙げられます。
シロアリの羽アリは白い色をしているのでは!?とイメージされることが多いですが、シロアリが羽アリとなる際は、紫外線から身を守るためメラニン色素を身にまとい、黒色となります。
そのため、シロアリとクロアリの羽アリは色味が似ており、色だけで見分けるのは難しいです。
羽アリの寿命
シロアリとクロアリの羽アリの寿命は、共通して数時間~数日しかありません。
シロアリとクロアリが羽アリになるのは繁殖のためと先述しましたが、実はほとんどの羽アリは雄雌の一対になって繁殖を始める前に、パートナーを見つけられなかったり、外敵に襲われたりして死んでしまいます。
運良くペアになれた羽アリが新たな巣を構築し、繁殖を始め、新たな巣の王・女王となる事ができます。
羽アリによる人体への危害
結論から言うと、ほとんどの羽アリは人体に危害を加えることはありません。羽アリ自体に毒はなく、人間に噛みつくといった行動もしないためです。
ただし、クロアリの羽アリの中でも唯一、「オオハリアリ」という種類は毒針を持っており、人間が刺されると赤く腫れあがることがあります。
後節で説明するシロアリとクロアリの羽アリの違いを確認し、クロアリの羽アリである場合にはむやみに触れないようにしましょう。
羽アリによる建築物の被害
羽アリが建築物へ被害を与える事はありません。
たとえ室内で羽アリが発生していても、建物の隙間などから出てきている事がほとんどであり、羽アリが建築物を破壊しているわけではありません。
ただし、羽アリがシロアリだった場合、建物がシロアリ被害に遭っている可能性が非常に高くなります。
シロアリは木材を食害する生き物で、特に住宅の床下や水周りなどの木材に被害を及ぼします。
住宅の被害でよくある事例は、住宅の床下や水周りにシロアリが侵入して巣を構築・拡大させ、一定の期間を経て羽アリへと姿を変えて飛び立つというパターンです。「羽アリが発生した=シロアリ被害がある」と言われやすいのはこのためです。
住まいに現れた羽アリがシロアリである可能性が高ければ、早急に対処が必要になります。
羽アリがいなくなれば安心?
羽アリの寿命は上述したように数時間~数日間です。大量の羽アリが一斉に発生した後は、何もなかったかのように急に羽アリが消え、静かになります。
しかし注意したいのは、羽アリがシロアリのものであった場合、たとえ羽アリの発生が止まってもシロアリはまだ住宅の中に潜んでいるという事です。シロアリの巣の中で羽アリとなって飛び立つのはおよそ1~3%前後と言われており、残り97%以上のシロアリは、羽アリがいなくなったとしても活動を続けています。
もしも発生した羽アリがシロアリだった場合には、羽アリが居なくなっても床下や水周りを調査する必要があります。
「シロアリの羽アリ」と「クロアリの羽アリ」の見分け方
羽アリを見分けるにあたって注意したいのは、日本においてクロアリは約300種、シロアリは24種類が生息しており、それぞれ羽アリの特徴や大きさが微妙に異なるという点です。
例えば、羽アリの大きさや色を手掛かりにして見分けようとすると、間違えてしまう恐れがあります。
シロアリとクロアリを見分けるオススメの方法は、次に紹介するどの種類にも共通する羽アリの外見の違いや、発生時期の違いをおさえることです。
外見の違いから見分ける方法
次の写真がシロアリの羽アリとクロアリの羽アリの比較画像です。
また次のイラストはシロアリの羽アリとクロアリの羽アリの違いを示した図です。
注意して見ていただきたい点は以下になります。
触角の違い
シロアリの羽アリの触角は細かい粒が連なっているように見える「数珠状」ですが、クロアリの羽アリの触角は「くの字」になっています。
羽の違い
シロアリの羽は全体的にくすんだ色をしていますが、クロアリの羽は透明感が強く、翅脈の模様がハッキリとしています。
羽の大きさについては、シロアリの羽は4枚が同じ大きさに対して、クロアリの羽は後ろの羽が小さくなっています。
体の形状の違い
シロアリの羽アリの胴体はずん胴で直線のような体格をしています。対して、クロアリの羽アリの胴体はくびれがあり、頭部、胸部、臀部のそれぞれがはっきりとしています。
発生時期の違いから見分ける方法
シロアリとクロアリの主な種類について、羽アリが飛び立つ時期を整理すると次の表のようになります。
シロアリの羽アリは種類により多少の違いはありますが、概ね4月の終わりから7月にかけて羽アリとなって飛び立ちます。
対してクロアリの羽アリは6月頃から飛び立つ種類も存在しますが、ほとんどが7月以降の真夏から秋にかけて発生します。
また、シロアリの羽アリは一度に大量に飛び立つ事が多く、以下の画像のように一斉に飛び立つ様子が見られればシロアリの羽アリの危険性が高くなります。
もし羽アリがクロアリなら安心してよい?
ここまでの見分け方を踏まえて、「発生した羽アリはクロアリだ」と確信を持てれば特に対処は必要ありません。
しかし、頻繁に室内にクロアリの羽アリが発生したり、クロアリそのものが室内に侵入してきたりする場合は、住宅の木材がシロアリに喰われ、その隙間からクロアリが侵入していることも考えられます。
ぜひ一度、専門家に住宅や床下の調査を依頼することをお勧めします。
シロアリ種類別の羽アリの特徴
羽アリがシロアリだと推測できた場合、さらにシロアリの種類にまで踏み込んで観察できるとより確実に特定することができます。
そこで、シロアリの主要種類について、羽アリの特徴で識別する方法を解説します。
なお、記事の冒頭で日本には24種類のシロアリが存在するとお伝えしましたが、その中でも住宅に被害を及ぼすのは「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」「アメリカカンザイシロアリ」の3種に絞られます。
シロアリの被害を発生率別に見ると、実に9割以上が「ヤマトシロアリ」によるものである事が分かっています。
そのため、住宅のシロアリ被害は基本的にヤマトシロアリによるものであり、次いでイエシロアリやアメリカカンザイシロアリの可能性があるという前提でご確認下さい。
ヤマトシロアリの羽アリ
日本全土に生息しているシロアリです。
羽アリの発生時期は4月下旬から5月中旬くらいまでに限定されます。羽アリが飛び立つ時間帯も決まっており、午前10時前後に一斉に飛び立ちます。
全体的に体が黒く、頭部と胴体のさかいめに黄色い線が入っている事が特徴です。
ヤマトシロアリの生態について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にして下さい。
イエシロアリの羽アリ
千葉県以西の温暖な海岸沿いなどに生息するシロアリです。
羽アリの発生時期は6月~7月で、時間帯は夕方から夜にかけてとなっています。発生する時期と時間帯は上述のヤマトシロアリと明確に異なるため、容易に判別する事ができます。
また、体の色は全体的に黄褐色をしており、羽の色はさらに薄い黄褐色となります。
イエシロアリの生態について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にして下さい。
アメリカカンザイシロアリの羽アリ
アメリカ原産の外来種のシロアリですが、日本では20以上の都道府県で確認されています。
羽アリの発生時期は7月から10月で、時間帯は日中となっています。温暖な地域では3月から6月に発生する事もあります。
体は全体的に赤褐色となっており、羽は黒色です。
このような特徴から他種のシロアリと見分ける事が可能です。
アメリカカンザイシロアリの生態について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にして下さい。
その他のシロアリの羽アリ
ここまでに紹介した「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」「アメリカカンザイシロアリ」が、日本におけるシロアリ被害の主要な3種となります。
それ以外のシロアリによる被害はほぼ無いといっても過言ではありませんが、その他のシロアリの特徴についても以下の記事で解説していますので、参考にして下さい。
羽アリに間違えられやすい昆虫
実はシロアリの羽アリは、クロアリだけでなく、他の昆虫と混同されることもあります。
実際、お客様からのお問い合わせでも、シロアリでもクロアリでもない昆虫をシロアリだと勘違いされているケースがあります。
以下では、羽アリと間違えられやすい代表的な昆虫をご紹介します。
クロバネキノコバエ
一般的に小型のハエを総合して「コバエ」としますが、このクロバネキノコバエもコバエに含まれるグループの昆虫です。梅雨時に発生することから、シロアリの羽アリと勘違いされる方もいらしゃいます。
体長は1mm~2mmしかないことが多く、網戸をすり抜けるほどの小ささです。そのため、屋内にクロバネキノコバエが侵入することを防ぐには戸を締め切る必要があります。
農作物などに被害を及ぼしますが、人体や家屋には被害はありません。
ノミバエ
ノミバエはノミバエ科に属するハエのグループで、上述したクロバネキノコバエと同様に「コバエ」と総称されます。
ノミバエは、ゴミや腐敗した食品がある場所など、不衛生な環境で発生します。家庭ではキッチン、トイレ、浴室、ゴミ置き場などに出没することが多いです。
クロバネキノコバエ同様、病原菌の媒介などはせず、人間や家屋に危害を与えることはありません。
メイガ
一般的にメイガと呼ばれますが、正式名称は「ノシメマダラメイガ」で、鱗翅目(チョウ目)メイガ科に属する蛾の一種です。「ノシメコクガ」と呼ばれることもあります。
メイガの体長は幼虫が2mm~13mm、成虫は7mm~8mm程度で、住宅周辺にどこにでも生息しています。
春から秋にかけて発生し、住宅内のお米や小麦などに湧くことがありますが、人体や建築物に被害はありません。
上記で紹介した以外に羽アリ、シロアリと間違えられやすい虫の一覧は以下の記事で詳しく解説しています。
シロアリやクロアリの羽アリの特徴と一致しない場合には、以下の記事も参考にして下さい。
羽アリを発見した場合の対処法
羽アリを発見した場合には、ここまでに解説した見分け方に基づいて「シロアリかクロアリか?」を確認するようにしましょう。
シロアリと分かった場合、またはクロアリだと確信を持てない場合は、以下の対処が有効です。
殺虫剤を使用しない
羽アリがシロアリだった場合は、殺虫剤の使用は控えましょう。
シロアリに殺虫剤を吹き付けると直接吹き付けられたシロアリは死滅しますが、巣の中に残っているシロアリが危険を察知して違う場所に進んでしまい、かえって被害が拡大する恐れがあります。
掃除機で吸い取る
発生した羽アリは掃除機で吸い取ってしまって問題ありません。シロアリの羽アリはとても弱い生物で、掃除機に吸い込まれる風圧でほとんどが死滅してしまいます。
また、掃除機の中で繁殖するような事もありませんので、数日してから吸い込んだゴミと一緒に捨ててしまって問題ありません。
余裕があれば発生した羽アリを数匹、ビニール袋などに入れて捕獲しておきましょう。シロアリ駆除業者の専門家などに見せた際にシロアリかどうかが判別しやすくなります。
シロアリ駆除業者に相談する
ここまでの対処が完了したら、落ち着いてシロアリ駆除業者に連絡しましょう。
室内で羽アリが発生している場合は、高確率で床下がシロアリ被害に遭っています。シロアリ駆除業者に床下調査をしてもらい、必要に応じてシロアリ駆除を実施するようにしましょう。
以下エリアに該当する方は、ぜひアリプロへご相談下さい。
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上記エリアに該当しない方は、以下の「シロアリ駆除業者の選び方」の記事を参考に、近所のシロアリ駆除業者に相談するようにしましょう。
プロによる「シロアリの羽アリ」の駆除方法
ところで、シロアリ駆除業者は、どのようにして羽アリ・シロアリを駆除していくのでしょうか?ここでは、プロによる作業の流れを簡単にご紹介します。
室内でシロアリの羽アリが発生した場合、そのほとんどのケースにおいて、床下や水周りでシロアリによる被害が進行しています。
シロアリは床下や外壁に蟻道(ぎどう)と呼ばれるトンネルのような通り道を形成しており、木材を食べて生活をしています。そのうちの一部の個体が羽アリへの変化し、地上に出てくることになります。
蟻道は、一度壊してもすぐに復活してしまいます。そのため、蟻道を壊した後は床下の土壌面や木部に薬剤の散布・吹き付けを行い、木材や地中の中に潜むシロアリも含めて全体的な駆除を行います。
シロアリ駆除で使用する薬剤は「遅効性」と呼ばれる性質を持っています。薬剤に触れたシロアリが巣まで戻り、他のシロアリと接触する事でドミノ式に効果を発揮し、やがて巣ごと全滅させることができます。
シロアリ駆除業者に依頼をすると、このような作業でシロアリ・羽アリの駆除をおこなっていきます。
羽アリの駆除を行った方の声
次に紹介するのは、自宅でシロアリの羽アリが発生し、アリプロで駆除を実施された方の実際のアンケートです。
ご自身で殺虫剤で対処しようとしても難しかった事や、6年前にシロアリ消毒を実施したにも関わらず羽アリが発生してしまった事が分かります。
毎年5、6月になると羽アリが出没していたのを殺虫剤で自己処理してやりすごしてしまっていました。
東京都北区I様
今年は例年と違う場所での羽アリ出現に事故処理の限界を感じセスコさんに依頼。シロアリの生息範囲を広げてしまったかと不安な気持ちでいっぱいでしたが、現場を見て頂きお話を伺ったり、作業を念入りに薬剤注入してくれて、やはりプロにまかせて良かったと感じました。
来年は羽アリに会わずに済むと信じています。ありがとうございました。
感謝しています。
千葉県長生村T様
今回御社に施工をやってもらいましたが、6年前に他社でやってもらって今年大量に羽アリが出現しました。
そこで御社の調査担当に来てもらいお願いする事にしました。
結果として以前の他社よりも大分良かったと思います。
御社に対してはこれからも宜しくお願い致します。
このように、アリプロでは多数の羽アリ・シロアリ駆除の実績があります。対応エリアにお住いの方はぜひお気軽にお問い合わせ下さい。調査・お見積もりは無料で承ります。
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羽アリの相談ならアリプロへ!
アリプロは、創業35年以上を超えるシロアリ駆除会社です。東京・千葉・埼玉・茨城に密着し、施工実績4.7万件を突破しています。
日本しろあり対策協会に加盟しており、調査・工事を行うスタッフは全員「しろあり防除施工士」の資格を保有しています。床下調査の際は、床下の状況をデジカメで撮影しお客様にお伝えします。
その他にも工事後の定期点検(5年間)や1,000万円の修復保証などのアフターサービスも万全で、独自の水害保証も完備しております。
電話は平日および土曜日の8:30~17:30、メールは365日24時間受け付けております。ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。
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【保有資格】
・日本しろあり対策協会「しろあり防除施工士」
・日本健康住宅協会「健康住宅アドバイザー」