
シロアリ被害に悩む方の中には「ゴキブリを駆除できるバルサンなら、シロアリも退治できるのではないか」と考える方がいるでしょう。
バルサンは広く普及している殺虫剤で、有効成分を含んだ煙によって屋内の害虫を効果的に駆除します。ゴキブリやダニ、ノミなどには高い効果を発揮するため、「家屋に潜むシロアリにも効くのでは?」と期待するのは自然なことです。
しかし、実際にはシロアリの駆除には専門的な技術が必要であり、シロアリの特殊な生態から考えても、バルサンだけで巣ごと根絶するのは非常に困難です。
この記事では、殺虫剤のバルサンがどのような製品なのか、なぜシロアリには効果が限定的なのか、さらにシロアリ被害を確実に防ぐにはどうすれば良いのかを、シロアリ駆除の専門家が詳しく解説します。
シロアリ被害を放置すると、家屋の損傷が急速に進み、耐久性や資産価値の低下を招きます。深刻な被害を防ぐためにも、まずはバルサンという製品の特性を理解し、シロアリの生態や駆除方法の基本を押さえておきましょう。

・ 日本しろあり対策協会に加盟
・ しろあり防除施工士が必ず対応
・ 無料の床下調査、工事後5年間の毎年点検
CONTENT
殺虫剤「バルサン」とはどのような製品か?
まず最初に、「バルサン」という殺虫剤について簡単に解説します。
「バルサン」の商品概要
バルサンは、ゴキブリやダニ、ノミなど室内に潜む害虫を、有効成分を含んだ煙(燻煙、くんえん)で駆除する殺虫剤(燻煙剤)です。


以前はライオン株式会社が販売していましたが、2018年にレック株式会社が買収し、現在は同社が事業を引き継いでいます。
市販の殺虫剤として非常に認知度が高く、一般家庭から飲食店まで幅広い場面で利用されています。
対象害虫の種類や有効成分、使用方法などが異なる、さまざまなラインナップが用意されています。
燻煙剤(くんえんざい)とは?
燻煙剤(くんえんざい)とは、煙を室内全体に行き渡らせることで、室内に潜む害虫を駆除する殺虫剤の一種です。


バルサンのように、火薬反応や化学反応によって煙を発生させるタイプが一般的ですが、近年ではガス式や霧式など多様な製品も販売されています。
使用時には部屋を閉め切り、燻煙剤の煙を隅々まで充満させます。これにより、家具の裏やカーペットの奥など、目に見えない隙間に潜む害虫にも有効成分が行き渡り、効果を発揮します。
害虫は煙や霧を避けにくいため、広範囲に生息する害虫を一度に駆除できるメリットがあります。
ただし、煙が到達しない場所には効果を発揮しないという弱点もあります。特に建物内部の構造部分や地中深くに巣を作る害虫については、燻煙剤だけで完全に駆除するのは難しいでしょう。
「バルサン」の有効成分
バルサンの主な有効成分は「ピレスロイド系」と呼ばれる殺虫成分です。
ピレスロイド系の成分は、昆虫の神経系に作用して麻痺や異常な興奮状態を引き起こし、最終的に死滅させる効果があります。ゴキブリやダニ、ノミなどの害虫の表皮に触れたり、体内に取り込まれたりすることで迅速に駆除できるため、多くの家庭用殺虫剤に採用されています。
ピレスロイド系の成分はヒトを含む哺乳類には比較的安全とされていますが、人によっては刺激を感じる場合があります。使用する際には十分な換気を行いましょう。
「バルサン」で駆除できる害虫の一覧
バルサンで駆除可能な害虫には以下のようなものがあります。非常に多くの種類の害虫に効果があることが分かります。
ゴキブリ
レック株式会社「バルサン」
屋内塵性ダニ類
イエダニ
ノミ
トコジラミ(ナンキンムシ)
ハエ成虫
蚊成虫
バルサンが駆除対象として挙げる害虫の筆頭であるゴキブリは、シロアリと非常に近縁な昆虫です(どちらも昆虫綱ゴキブリ目に属します)。
そのため、「シロアリもバルサンで駆除できるのでは?」と疑問に感じる方も多いかもしれません。
次の節では、シロアリの生態とバルサンによるシロアリ駆除の効果について詳しく解説していきます。
シロアリの生態 - シロアリはどこに生息している?
まずは、シロアリの生態について簡単に解説します。
シロアリは光や空気に触れることを極端に嫌い、土中や木材内部に大規模なコロニーを作って暮らしています。
女王シロアリが産卵を行い、働きアリが巣の維持や餌の運搬を担当するなど、高度な社会性を持った昆虫です。


シロアリの木材を食害する能力は非常に高く、住宅の床下や柱の内部など人目につかない場所にトンネルを作りながら急速に生息範囲を広げます。「1年で柱3本分」と言われるほどその食害スピードは速く、短期間で住宅に深刻な損傷を与えることがあります。
また、シロアリは基本的に土中や木材の内部に潜んでおり、繁殖期を除いて外に姿を現すことはほとんどありません。
「バルサン」でシロアリ駆除はできるのか?
前述のシロアリの生態を踏まえると、「バルサンでシロアリを完全に根絶するのは難しい」と言わざるを得ません。
バルサンが効果を発揮するのは、煙や霧が届きやすい室内の床や隙間に生息する昆虫です。
シロアリに対してもピレスロイド系成分の殺虫剤は効果がありますが、シロアリは床下の土中や家屋の木材内部など、煙や霧が十分に行き届かない場所に潜んでいます。そのため、バルサンによる有効成分の到達は非常に限定的であり、巣全体を駆除するほどの効果は期待できません。


繁殖期に羽アリが屋内に出てくることがありますが、そのような表層に現れた一部の個体をバルサンで駆除することは可能です。ただし、巣の中に潜む大多数のシロアリにまでは効果が及ばず、被害の根本的な解決にはなりません。
また、一部のシロアリを駆除できても、巣の中の個体が木材の食害を続けるため、被害の拡大を止めることは困難です。特に巣の奥深くに潜む女王シロアリが生きている限り、繁殖が続き、被害がさらに拡大する可能性があります。
被害が進行すると、高額な修繕費用がかかるだけでなく、資産価値にも影響を及ぼす可能性があります。



・ 日本しろあり対策協会に加盟
・ しろあり防除施工士が必ず対応
・ 無料の床下調査、工事後5年間の毎年点検
シロアリ駆除は専門の駆除業者に依頼することが重要
では、「バルサン」が効果的でないなら、シロアリ駆除はどのように行えばよいのでしょうか?
プロとして強くお勧めするのは、専門のシロアリ駆除業者に依頼し、適切な防蟻施工を実施してもらうことです。
ここでは、専門業者への依頼を推奨する主な理由を3つご紹介します。
理由①:シロアリ専用の薬剤を使用できる
バルサンなどの市販の燻煙剤は、主にゴキブリやダニ、ノミなど特定の害虫を対象に配合されており、シロアリ向けの製品ではありません。
一方、専門のシロアリ駆除業者は、シロアリ専用の薬剤を使用して巣の奥深くに潜む女王シロアリや働きアリを確実に駆除します。


また、建物の構造や被害状況に応じて、薬剤の種類や濃度、施工方法を適切に調整し、効果的にシロアリを根絶します。
理由②:シロアリの生態に基づいた施工で完全根絶を行う
シロアリの巣の場所や活動経路、繁殖サイクルなどの生態は非常に複雑です。
それでも、シロアリ駆除を成功させるためには、巣の位置や被害の範囲などを正確に把握したうえで、最も効果的な方法を選択する必要があります。
プロの業者は、事前調査により床下や壁内部の被害状況を徹底的に確認し、巣の位置や被害範囲を正確に特定したうえで最適な施工を行います。


場合によっては、床下の木材や土間、柱、壁などに穴を開けて薬剤を直接注入するなど、確実にシロアリの活動を止める対策を取ります。
このように専門的かつ的確な施工が求められることが、シロアリ駆除の難しさです。逆に言えば、プロだからこそ可能な対応なのです。
理由③:定期的な点検でシロアリの再発を防ぐ
一度シロアリを駆除しても、周囲の環境によって再発する可能性があります。
特に、シロアリの被害を受けた建物は木材が傷んでいる可能性が高く、再侵入に対して脆弱な状態であることも少なくありません。
そのため、定期的に専門家による点検を受け、シロアリの再発があれば早期に対策を講じることが重要です。


多くの専門業者は定期的な点検サービスを提供しており、施工後の一定期間内にシロアリが再発した場合、追加の駆除や処置を行ってくれる保証制度を設けている場合もあります。
こうしたアフターサービスや定期的な点検を活用することで、長期間にわたり建物をシロアリ被害から守ることが可能になります。
以上の通り、シロアリを根絶するには専門的な薬剤や知識、施工技術が必要なことが分かります。
専門業者に依頼することで、シロアリを効果的に駆除できるだけでなく、建物を長期間にわたり安全に保つためにも大きなメリットがあります。定期的な点検やアフターサービスを活用し、再発を防ぐことも重要です。
シロアリの駆除ならアリプロにご相談ください!



アリプロは、創業35年以上の歴史を持つシロアリ駆除会社です。東京・千葉・埼玉・茨城に密着し、施工実績4.7万件を突破しました。
アリプロは日本しろあり対策協会に加盟しており、調査や工事を行うスタッフは全員「しろあり防除施工士」の資格を保有しています。床下調査の際には、床下の状況をデジカメで撮影し、お客様にわかりやすくご報告します。
さらに、工事後の定期点検(5年間)や1,000万円の修復保証など、充実したアフターサービスを提供。独自の水害保証も完備しており、万が一のトラブルにも安心です。
お電話は平日および土曜日の8:30~17:30、メールは365日24時間受け付けております。ぜひお気軽にお問い合わせください。
無料点検の申し込み問い合わせはこちらから



【保有資格】
・日本しろあり対策協会「しろあり防除施工士」
・日本健康住宅協会「健康住宅アドバイザー」