シロアリの巣には必ず「女王アリ」と「王アリ」が存在します。
しかし、女王アリと王アリが地上に姿を現す事は滅多になく、私たちシロアリ駆除業者でもその姿を確認する機会はほとんどありません。
この記事ではそんなシロアリの女王アリの画像を掲載しつつ、シロアリの女王アリの特徴や寿命、またシロアリ駆除を行う際の注意点などについて解説していきます。
※ なお、女王アリの特徴や寿命はシロアリの種類により異なりますが、本記事では日本のシロアリ被害の9割以上を占める「ヤマトシロアリ」の女王アリについて解説します。
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シロアリの4つの階級
シロアリの巣の中には4つの階級があり、その中の一つが「女王アリ」と「王アリ」です。まずは、女王アリを王アリを含め、シロアリの巣の中に存在する4つの階級について解説します。
女王アリ・王アリ
一つの巣の中に1匹ずつしかいない貴重な存在です。巣の中での主な役割は繁殖(産卵)であり、ヤマトシロアリの場合は1日におよそ25個(1年間で約9,000個)、イエシロアリの場合は1日におよそ300個(1年間で約10万個)の卵を産み続けます。
卵巣(腹部)が非常に発達しており、アリというよりはイモムシに近い外見をしています。
大きさはヤマトシロアリの女王で1cm~1.5cm、イエシロアリの女王の場合は3.5cm~4cmほどと言われています。
職蟻(しょくぎ)
一つの巣の中のおよそ90%~95%を占めるのが職蟻(しょくぎ)です。主な役割は巣の構築、エサの採集と運搬、幼虫の世話などです。木材に被害を与えるのはシロアリの階級の中でこの職蟻のみとなります。
一般の方が思い浮かべるシロアリとは、この職蟻を指すことが多いです。
兵蟻(へいぎ)
一つの巣の中のおよそ3%前後を占めるのが兵蟻(へいぎ)です。外敵から巣を守ったり、偵察を行ったりする役割があります。
頭部が茶色く楕円形に発達しており、シロアリの階級の中でも見分ける事が容易です。
ニンフ
一つの巣の中のおよそ1%から2%がニンフという階級です。シロアリは4月~6月の時期に羽アリとなって飛び立つ習性がありますが、その際に羽アリとなるのがニンフです。
ニンフには女王アリ・王アリが死滅した際に、代わりに女王・王となる「副女王」「副王」としての役割もあります。(詳しくは後述します)
シロアリの階級まとめ
このようにシロアリの巣の中には4種類の階級があり、女王アリ・王アリは階級の中でもトップに君臨します。
もっとも、シロアリの女王アリは、職蟻にエサを運ばせ、兵蟻に守ってもらいと一見優雅にも見えますが、毎日繁殖の為に休むことなく卵を産み続けており、巣を維持・成長させるための重要な責任を負っています。
シロアリの女王の寿命
シロアリの女王アリの寿命は10年以上と言われており、虫の世界でも長寿の部類に入ります。
王アリの寿命はそれ以上とも言われ、一説によれば30年以上生き続けるものも存在します。
シロアリ被害に遭ったお客様からの問い合わせとして、「シロアリ駆除なんてしなくても寿命ですぐにいなくなるのでは?」といった質問を頂きますが、シロアリの巣は女王アリと王アリが生きていれば存続するため、10年以上に渡って被害が続く可能性があります。
また、シロアリの特殊な生態として、女王アリが寿命や外敵によって死滅した場合に、ニンフの階級の中から新たな「女王アリ」が誕生する事が分かっています。そのためニンフは「副女王」や「副王」といった呼ばれ方をする事もあります。
女王アリが死滅しても新たな女王が誕生し、巣を再生し続けるのがシロアリという生き物の特徴です。
シロアリの巣(女王)の増え方
前節の通り、シロアリの女王が寿命を迎えてもニンフが代わりの女王となる事があります。
それ以外にも、シロアリの自然なライフサイクルによって新たな女王・王が誕生する事があります。次の通りです。
群飛
シロアリ被害に遭った住宅では、4月~6月の時期に大量の羽アリが発生する事があります。これはニンフ階級が新たな巣を作るために羽アリへと変化し現在の巣から飛び立つ現象で、群飛(ぐんぴ)と呼ばれます。
ニンフの状態では体は白いですが、羽アリになると紫外線から身を守るため黒く変色します。飛び立った後は地上に着陸し、自分の意思で羽を脱落させ、雄雌が1対となり地中に潜って繁殖をします。この対となったニンフの雄雌が新たな巣の「女王アリ」と「王アリ」となるわけです。
ちなみに、羽アリが飛び立つと言っても、風に流される程度の飛行能力しか持たず、鳥のように自由に飛行できるわけではありません。
そのため、自分たちで着陸場所を選べず、飛び立った羽アリのほとんどが外敵に襲われたり、対になる事ができなかったりして、死亡してしまいます。運よく交尾に成功した個体だけが次の女王・王になることができます。
こうしてシロアリは新たな場所で巣を作り、増殖していきます。
加害
ヤマトシロアリは固定の巣を持たず、自分たちが食べている木材を巣にします。現在の木材を食べ終われば、新たな木材へ巣ごと"引っ越し"します。
この引っ越しによって現在の女王の巣を残したまま新たな木材へと辿り着いたニンフが、新たな木材の中で女王へと変化し、新しい巣を形成することがあります。
このように、巣が分岐することでもシロアリは増殖します。ヤマトシロアリの女王は年間で9,000個の卵を産むと説明しましたが、仮に床下に3つの巣が併存していれば年間で27,000個もの卵が産まれる事になり、その数は爆発的に増殖していきます。
シロアリの駆除は女王を優先?
シロアリ駆除の作業中に「女王」と「王」を見つけたら、どちらを優先して駆除するべきでしょうか?
答えは「王」を優先して駆除するべきです。
理屈の上ではどちらを駆除してもニンフ階級がその代わりとなるため、巣が全滅する事はないように思えますが、実は「副女王」よりも「副王」が誕生する確率の方が圧倒的に低いことが理由です。
言い方を変えれば、「王の寿命=巣の寿命」であり、シロアリ被害を防ぐには「王」の駆除が重要だと言えます。
シロアリ駆除業者の駆除手法
ここまででシロアリの女王や副女王の存在について解説しました。
「シロアリ駆除」と聞くと、女王や王を駆除しさえすれば巣を丸ごと駆除できそうなイメージがあるかもしれませんが、実際には女王や王が死滅してもニンフがその代わりとなり、巣は再生してしまいます。
もっとも、それ以前の問題として、シロアリの巣の中の女王や王をピンポイントで駆除するのは現実的に難しいという事情もあります。
ではシロアリ駆除業者はどのようにシロアリの巣全体を駆除するのでしょうか。その秘密は、シロアリ駆除専門のプロ向けの薬剤にあります。
シロアリ駆除の薬剤の秘密
シロアリ駆除で使用される薬剤は「遅効性」のものがほとんどです。シロアリ自体に薬剤を吹きかけてもすぐにシロアリが死滅する訳ではなく、時間をかけてゆっくりと効果を発揮していきます。
さらに、シロアリは仲間と体を接触させて掃除しあうグルーミングという行動を取る特性があります。このグルーミングの際に薬剤を吹き付けられたシロアリ(やがて死ぬシロアリ)と健常なシロアリが接触し、健常なシロアリにも薬剤の効果が伝幡(でんぱん)します。
伝幡が繰り返されると、はじめはごく僅かなシロアリにしか吹き付けられなかった薬剤がやがて巣全体のシロアリにも効果を表し、最終的に女王アリや王アリにも効果が届きます。
シロアリ駆除業者はこのようにしてシロアリの巣全体の駆除を行います。
余談ですが、市販の殺虫剤はそのほとんどが「即効性」のものです。シロアリに吹きかける事により吹きかけられたシロアリは死滅しますが、巣全体に効果を及ぼすことはありません。
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