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シロアリはコンクリートを突き破る!? 知っておきたい「コンクリート製の床下のシロアリ対策」

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シロアリ駆除業者として活動していると、お客様より「うちはコンクリートの基礎だからシロアリの心配はないはず」という声をよく頂きます。

確かに、素朴に考えれば硬いコンクリートを昆虫が加害するなどありえないように感じられます。

ところが、シロアリ防除の専門家の間では、「床下がコンクリートでできていてもシロアリ被害が発生する」のは常識となっています。

一体なぜ、コンクリートの基礎でもシロアリの被害が発生するのでしょうか?

この記事では、「シロアリとコンクリートの関係性」にスポットをあて、コンクリート製の床下のシロアリ対策について解説していきます。

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シロアリはコンクリートを食べる?

シロアリは、枯れ木や住宅の木材などを餌とする小さな生き物です。

シロアリ被害

住宅に大きな被害を与える害虫として恐れられていますが、コンクリートなどの木材以外の物質を餌にすることはありません。

 

コンクリートがシロアリに加害される理由

それではなぜ、コンクリートの基礎でできた住宅でも、シロアリの被害を受けるのでしょうか?

それは、シロアリは木材の臭いをかぎつけると、その方向へ一直線に進もうとする習性があり、このためにコンクリートなどの木材以外の様々な物質も加害することが理由だと考えられています。

シロアリの働きアリの視力は弱いため、前にあるものが何なのかを目で見て判断するわけではありません。目の前に立ち塞がるものがあれば、大きな顎で食い破って強引に前進していきます。

また、そもそもコンクリートとは、砂の塊をセメントなどの結合剤で繋ぎ合わせたものです。

実はシロアリは、コンクリートを構成する砂を、顎を使って一粒一粒削り出すことが可能です。大勢の働きアリがいれば、時間をかけてコンクリートを削り、穴を開けてしまうと考えられています。

もっとも、何センチもの分厚いコンクリートに穴を開けることは流石にあまりないようです。

シロアリに侵入されやすいのは、もともとコンクリートに隙間や亀裂があったりして、入り込みやすくなっている場所です。シロアリの身体は非常に小さく、わずか0.6mmの隙間があれば侵入することができると言われています。

そのような場所を見つけたら、若干の加害をしながらコンクリートを突き破り、先にある木材に到達してあっという間に餌にしてしまう。そんな獰猛な生態を持っているのシロアリという昆虫です。

べた基礎の構造

 

シロアリがコンクリートの基礎を通過しやすい場所

以上の通り、住宅の基礎はコンクリートでしっかり固められていても、わずかな隙間を狙ってシロアリは侵入してきます。

住宅の基礎構造において、コンクリートに隙間できやすい場所として次がわかっています。

 

コンクリートのひび割れ(クラック)

コンクリートは、内部に含む水分が減ることによって、時間をかけて少しずつ収縮する性質を持っています。

さらに、施工の不良や、内部の鉄筋の膨張、温度変化や地震など、様々な要因によりコンクリートにひび割れ(クラック)が生じます。

基礎のヒビ割れ

 

基礎と立ち上がりの間

一見、全面がコンクリートのように見えても、次のような赤い矢印で示した場所は隙間ができやすくなっています。

基礎の仕組み

住宅の基礎の構造上どうしても生じやすい仕組みです。次のセクションでさらに解説いたします。

 

セパレーター(セパ)の周辺

セパレーター(セパ)とは、基礎工事で使われる、コンクリートの型枠を固定するための金属製の金具です。金具とコンクリートの間には隙間ができやすくなります。

基礎のセパレーター

 

水抜き穴

基礎の水抜き穴

基礎工事の際、基礎の中に雨水が溜まると工事を行うことができなくなってしまいます。それを防ぐために造成するのが「水抜き穴」です。

水抜き穴は、工事が終わった後にそのままにしておくこともあれば、何らかの素材で塞ぐこともあります。

いずれにしても、一度穴を開けているため隙間が生じやすくなっています。

 

床下配管の周辺

基礎には、住宅の設計に基づいて給水管(住宅内に上水道を送る水道管)や排水管(住宅から出る汚水を下水道に流す菅)が通過する穴を作る必要があります。

床下の配管

この穴は、配管を通したとしてもやはり隙間が生じやすい構造となります。

 

アース棒の接地工事のために貫通した穴の周辺

家庭内で資料する電気製品などの漏電を防ぐためにアース棒を接地しますが、その際にコンクリートの基礎にあらかじめ穴を開けておくことがあります。

地中と床下を貫通する隙間が生まれるため、ここもシロアリに狙われやすい場所となります。

 

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住宅の基礎構造について

ここで、住宅の基礎構造の基本を解説しながら、前項の「基礎と立ち上がりの間」に隙間が生じる原因ついてさらに説明いたします。

シロアリ被害が起こりやすい木造住宅には、主に「ベタ基礎」と「布基礎」という2種類の基礎構造があります。

ベタ基礎と布基礎の構造

ベタ基礎は、地面に接するコンクリートに鉄筋が入り、家屋全体を「面」で支える構造になっています。耐久性が高いため近年普及している構造です。

布基礎は、逆T字型の基礎を地中に打ち込み、いくつかの「点」で家屋を支える構造です。横方向にコンクリートを敷設するものの、鉄筋は入れず、薄く作られることが多いです。昭和初期から採用され始めた構造で、現在も選ばれることがあります。

 

また、ベタ基礎でも布基礎でも、構造的に隙間が生じやすい場所がどうしてもできてしまいます。コンクリートの分厚い層が食い破られることはないものの、やはりシロアリ被害は発生してしまうのです。

特に布基礎は地面が露出しており、湿気も溜まりやすいため、シロアリの被害を受けやすい構造となっています。ベタ基礎は地面全体が厚いコンクリートで覆われるため被害は少ないものの、どうしても立ち上がり部分などに隙間が生じるため、被害が発生します。

それぞれの構造について、特にシロアリが侵入しやすいのは、次の画像中に赤い矢印で示した箇所です。

ベタ基礎と布基礎のシロアリ侵入場所の比較

 

ベタ基礎と布基礎のメリット・デメリット

ベタ基礎と布基礎それぞれの特徴とメリット・デメリットを整理すると次のようになります。

ベタ基礎布基礎
特徴・床下を鉄筋コンクリートで覆い、「面」で支える・逆T字型の基礎で支える
メリット・耐震性が高い
・(布基礎に比べて)シロアリ被害を受けにくい
・コストが低い
・地中深く造成できるため、地面が凍結する寒冷地に適している
デメリット・鉄筋やコンクリートの消費が大きく、コストが高い・(ベタ基礎に比べて)耐震性が低い
・(ベタ基礎に比べて)シロアリ被害を受けやすい

 

シロアリがコンクリートの他に加害しやすい場所

シロアリはたとえ餌としなくても、コンクリートをはじめとして、人家周辺の様々なものを食い破ってしまいます。

例えば次のような例があります。

・プラスチック
・合成ゴム
・繊維
・皮革類
・動物の死骸
・墓地や納骨堂の人骨
・煉瓦
・鉛(柔らかい金属)
・金属製の薄板
・断熱材(ポリスチレンフォームや発泡ウレタン)

 

コンクリート製の床下のシロアリ対策

シロアリはどこにでもいる生き物であり、根絶することはできません。

そのため、お住まいにシロアリ被害を起こさないためには、床下をはじめとして家屋全体について綿密な調査や薬剤による防除を行い、シロアリの侵入を防ぐことが大切です。

シロアリ対策を自分一人で行うことは難しいですので、ぜひ専門のシロアリ駆除業者に相談してみましょう。

なお、当サイトのアリプロでは、耐アルカリ性能を持ち、コンクリートの表面にも散布して効果を発揮できる「ネクサスZ800」というシロアリ専門の土壌処理用の薬剤を用いています。

シロアリ駆除の業者を選択する際は、ンクリートの処理を行う技術や経験を持っているかどうかを確認するようにしましょう。

 

また、前述の通り、プラスチックをはじめとして、あらゆるものがシロアリの被害を受ける可能性があります。

日常的なお住まいのお手入れとして、庭や家屋周辺はできるだけ物を置いたままにせず綺麗にすることや、風通しや排水に気を付け、ジメジメした湿度の高い場所を少なくするようにすることも大切です。

 

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アリプロは、創業35年以上を超えるシロアリ駆除会社です。東京・千葉・埼玉・茨城に密着し、施工実績4.7万件を突破しています。

日本しろあり対策協会に加盟しており、調査・工事を行うスタッフは全員「しろあり防除施工士」の資格を保有しています。床下調査の際は、床下の状況をデジカメで撮影しお客様にお伝えします。

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執筆・監修者

林 翔平

2012年株式会社セスコに入社。シロアリ駆除業務に従事し、延べ2,000件以上の床下調査を実施。アリプロのコラム記事全ての執筆および監修を担当。

【保有資格】
・日本しろあり対策協会「しろあり防除施工士」
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