2026年8月に千葉県を襲った豪雨(「令和8年8月千葉豪雨」)は、同県内に停滞した線状降水帯によって広い範囲に記録的な大雨をもたらしました。この豪雨により、各地で洪水や土砂災害が発生したほか、多くの住宅が床上・床下浸水に見舞われました。
シロアリ駆除サービス「アリプロ」を運営する株式会社セスコは、今回の千葉豪雨による被害を受け、被災された方々からのご相談を受け付けています。
本記事でご紹介するのは、千葉豪雨によって床上浸水被害を受けたお住まいにおける、実際の住宅メンテナンスの事例です。
今回ご依頼いただいたのは、わずか築1年の新築戸建て住宅です。豪雨によって床上浸水被害が発生したとのことで、現地調査を実施しました。
その結果、当社にて「断熱材の撤去と再施工」および「各種消毒(雑菌消毒、防腐防カビ消毒、シロアリ消毒)」をはじめとする各種施工を実施することになりました。
千葉豪雨による床上浸水の被害直後の状況
以下の写真は、お客様よりご提供いただいた浸水直後の様子です。水が引き、床面に汚泥が付着しているのが分かります。


このような浸水被害に見舞われた際には、二次被害を防ぐためにも早急な対処が必要です。
続いて、床上浸水後の消毒作業等の具体的な流れについてご紹介いたします。
現地調査:アリプロのスタッフによる被害状況の調査
千葉豪雨が発生した8月13日・14日からおよそ半月ほど経過した8月28日に、アリプロのスタッフが現地調査に伺いました。
お客様ご自身も、床下の湿気対策としてキッチンの床下点検口からサーキュレーターで送風を行われており、そのおかげで点検口付近はすでに乾燥していました。

しかし、奥に進むにつれてまだ水分が残っており、最深部では水溜まりができている状況でした。

また、汚水が流れ込んだ影響で、床下断熱材が水分を含んで重くなり、落下していることも判明しました。


このような状況から、当社より以下の内容をご提案し、施工を実施する運びとなりました。
・断熱材の撤去(浸水により水分を含んで落下した従来の断熱材の運び出し)
・雑菌消毒および防腐防カビ消毒(汚水の流入による雑菌やカビの繁殖を防ぐ)
・シロアリ消毒(浸水により消失してしまったシロアリ用薬剤の再施工)
・新たな断熱材の施工(新しい高性能な断熱材の吹き付け工事)
施工内容:断熱材の撤去
工事の開始にあたり、まずは断熱材の撤去作業を実施しました。
この時点でも断熱材は多くの水分を含んでおり、少し押すだけで水が溢れ出る、まるでスポンジのような状態でした。
すでに落下している断熱材がある一方で、床面に付いたままのものは一つ一つ手作業で外していきます。その過程で水が噴き出し、作業中盤には再び床下が水溜まりのような状態になりました。

取り外した断熱材は、床下の人通口や点検口からスムーズに搬出できるよう、適度な大きさにカットしながら運び出します。
床下には3人のスタッフが入り、リレーのように連係して断熱材を外へ運んでいきました。


浸水が起きた床下は、汚水の匂いが充満する非常に過酷な環境です。スタッフは作業着の上に雨合羽(カッパ)を着用して作業にあたりますが、それでも汚水が染み込み、作業が終了する頃には下着までびしょ濡れの状態になります。
今回の断熱材撤去は、4人態勢でおよそ5時間を要するハードな作業となりました。
施工内容:床下の消毒作業
断熱材の撤去の数日後、床下の消毒作業を行いました。
汚水が流入した床下では雑菌が繁殖してしまう恐れがあるため、まずは雑菌類に効果を発揮する薬剤を使用して、床下全体の「雑菌消毒」を行います。

また、水分を多く含んだ木材をそのまま放置すると、カビや木材腐朽菌が繁殖し、アレルギー症状を引き起こしたり、木材の耐久性を著しく低下させたりする危険性があります。こうした被害を防ぐため、「防腐防カビ消毒」を実施します。

さらに、湿度が上昇した床下はシロアリ被害のリスクが高まります。今回の住宅は築1年であり、新築時にシロアリ消毒が行われていましたが、今回の浸水により薬剤の効果が消失し、保証が無効となってしまうため、新たに「シロアリ消毒」を実施しました。

以上で、各種消毒作業が完了となりました。
施工内容:断熱材の吹き付け工事
一連の消毒作業を終え、最後の工程として断熱材の新設作業を行いました。
浸水により落下していた従来の断熱材は「グラスウール」というガラス繊維の素材ですが、今回施工するのは「発泡ウレタン」という吹き付けるタイプの断熱材です。グラスウールに比べて施工の難易度は上がるものの、断熱性能が非常に高い長所があります。
次の動画のように、液体状の素材を床板の裏面に吹き付けると、その場で自然と膨らみ、断熱層が隙間無く形成されます。
このような断熱材の吹き付け工事を床面全面に実施しました。断熱材が無い状態でもお住まいになること自体は可能ですが、冷暖房効率の低下や底冷えの原因につながるため、より快適に過ごしたい方には非常に適した施工方法です。
今回のような浸水被害によって断熱材が落下してしまうケースのほか、築20年以上経過した住宅では、経年劣化によって自然と断熱材が外れてしまっていることもあります。
知らぬ間に住宅の断熱性能が低下している場合もありますので、そうした場合には断熱材を新たに取り付けることで、断熱性能の向上につなげることができます。


ここまでの作業を行い、工事が完了となりました。
当社ではこれまでも床下漏水や床下浸水の現場対応を行ってまいりましたが、今回のような大規模かつ水量の多い現場での対応は、私たちにとっても非常に貴重な経験となりました。
床下排水を効率的に行うための新たな資材の導入や、床上浸水被害に遭われたお客様に対してどのようなご提案をすべきなのかを社員一同で何度も話し合うなど、災害時の向き合い方を含めて大変多くの学びを得る現場となりました。
施工後:お客様からいただいた声
工事完了後、お客様からは以下のようなクチコミや温かいメッセージをいただきました。


アリプロは「浸水被害」への対応を強化しています

私たちシロアリ駆除のアリプロでは、浸水被害に遭われたお客様に向けて、各種消毒や断熱材の吹き付けなどの復旧サポートをさせていただいております。
当社のシロアリ消毒後の保証では、「漏水や水害による被害後の再施工」にも無償で対応しておりますので、万が一の際もご安心ください。(※5年間で1回に限ります)
床下や住まいのことでお困りの際は、調査・お見積もりは無料で承っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。
なお、床下浸水時の火災保険の適用などについては以下の記事で詳しく解説しています。
また、アリプロの千葉県内の施工実績については以下のページよりご確認頂けます。



